物価上昇で借金返済ができない場合の対応方法
1 物価上昇時には家計の見直しと返済負担の軽減を検討する
借金等の返済をしている状態で物価が上昇すると、食費や水道光熱費、場合によっては家賃も上昇するため、収入が増えない限り返済に回せるお金が減ってしまいます。
物価上昇によって借金等の返済が難しくなってきた場合には、家計の見直しと債務整理の両方を検討します。
以下、家計の見直しと債務整理の方法について説明します。
2 家計の見直し
債務の返済が難しくなってきた場合、まず日々の手取り収入と支出を詳しく整理し、家計を見直していくことがとても大切です。
給与明細や、レシート、銀行引き落とし履歴、クレジットカードの利用明細など、客観的な資料を元に月々の収入と支出をできるだけ正確に把握します。
遊興費や酒、タバコ代、利用頻度の少ないサブスクリプションサービス費、ほとんど使っていない自動車に関わる費用などがあれば、できる限り削減していきます。
家計を見直した結果、債務整理をせずに債務の返済ができるようであれば、従前とおり返済を続けていきます。
返済が困難なようであれば、債務整理を行います。
3 債務整理の方法
⑴ 任意整理
任意整理は、個別に貸金業者等と交渉を行い、返済条件を変更するという方法です。
残債務の元金と経過利息、遅延損害金の合計額をおおむね36~60か月で分割して返済できるようになります。
任意整理を行うためには、月々の手取り収入から生活費を控除した残額(返済原資)が、任意整理後の想定返済額を上回っている必要がありますので、予め家計の精査と見直しをしておきます。
⑵ 個人再生
個人再生は裁判所を介した債務整理の方法であり、債務総額を大幅に減らせる可能性がある手続きです。
また、住宅ローンが残っている場合には、住宅ローンだけは従前とおり支払うことで、自宅に設定された抵当権の実行を回避できる制度(住宅資金特別条項)も設けられています。
個人再生をすると、再生計画に従って減額後の債務を3~5年間で分割して返済することになります。
個人再生の申立ての際には、数か月分の家計表の提出が求められます。
また、裁判所から再生計画の認可を得るためには、再生計画認可後の返済が問題なく行える見込みがあることを示す必要がありますので、前提として家計の精査をしておく必要があります。
⑶ 自己破産
家計を見直しても借金の返済が不可能であるといえる場合には、自己破産を選択することになります。
自己破産手続きによって裁判所から免責が許可されることで、一部の例外を除き、債務の返済義務を免れることができます。
自己破産の申立ての際にも、数か月分の家計表が必要となります。
また、家計が赤字のままであれば、仮に免責が許可されても、いずれ再度破産をせざるを得なくなりますので、事前に家計を見直して家計が黒字になるようにしておく必要があります。


















